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一級短文読解(108)
日期:2016-12-06 10:13  点击:480
  日本の21世紀はもうすぐ人口の減少が始まり、やがてお年寄りが人口の3分の1を占める高齢化社会になることは周知の事実だ。とうぜん、きわめて近い将来、労働力人口は減少に転ずる。もうすぐ働く意欲のある元気なお年寄りでいっぱいの社会が到来する。
  そこでいま、ようやく浮上し始めたのが「何歳以上はだめ」というような年齢でひとの労働を制限してしまう従来のやり方は「年齢差別」ではないか、という主張だ。こういうとどぎついが、人の働く能力を年齢ではなく実際の能力で判断しようという、ごく当然の考え方だ。これは実力主義の変形であり、むしろ厳しい面を持っている。米国では既に1970年代、年齢差別が問題となり、①定年制も廃止された。
  定年制は若者の雇用と労働力の活性化のために必要と考えられてきたが、これも「年齢差別」という観点からは影が薄くならざるを得ない。近い将来にはお年寄りを積極的に活用しよう、とする声が大きくなるのではなかろうか。
  もう一つは、これも欧州の先例があるが、就労形態のいわば流動化である。週5日、朝9時から夕方5時までの就労だけではなく、1日4時間とか、1週間3日とかだ。こうした就労が広がるかもしれない。これは高齢者とか女性の労働にはむしろ好ましいかたちだ。
  いわゆるアルバイトではなく、欧州各国では正規就労の一形態としてこういう制度が行われている。昨年、ドイツもフランスも失業率が10%を割ったと報じられたが、これはこのようなワークシェアリング的制度の結果であるらしい。②社会が成熟をお迎えるときに直面する課題かもしれない。
 
 
「問」下線①「定年制」について正しいものを選びなさい。
1 就労希望者に対して「何歳以上はだめ」というような、年齢で制限してしまうやり方
2 人の働く能力を年齢ではなく実際の能力で判断しようという、実力主義の変形
3 若者の雇用と労働力の活性化のためにとられてきた従来の就労形態
4 年齢差別という観点から、お年寄りを積極的に活用するためにとられる就労規定
 
「問」下線②「社会が成熟を迎えるときに直面する課題」とは何か
1 やがてお年寄りが人口の3分の1を占める高齢化社会になること
2 「年齢差別」や「就業形態の流動」がおこること
3 高齢者とか女性の労働に好ましい就労形態が必要になること
4 アルバイトが正規の就労と変わらなくなってしまうこと
 
「問」筆者が最も言いたいことはどれか
1 日本も欧米のような就労形態を取り入れなければ、失業率が上がり経済が悪化する
2 欧米の就労形態を取り入れることで、日本も高齢化社会に積極的に対応できるはずだ
3 高齢化社会に歯止めをかけるために、日本の就労形態を変えなければならない
4 実力主義やワークシェアリング制度の導入が避けられないことを知っておくべきだ

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