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一級短文読解(115)
日期:2016-12-06 10:27  点击:1043
次の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして、最も適当なものを1.2.3.4から一つ選びなさい。
 
 ①学校の国語教育が、変わり始めている。今年は小学校、来年は中学、再来年は高校という順で、国語の教科課程が新しくなる。そこで教科書も、新しい枠組みで考える必要が出てきたわけだ。何が変わるのかまず一言で言えば「話し言葉」の教育をしようということだ。「やっと、そこまで来たか」というのが、私の実感である。( ② )、今までやっていなかったことが、不思議だったのだ。 今、私は、何カ所かで「話し言葉」の講座を持っている。NHK文化センターでは、マスコミを志望する学生のための講座がある。学生たちは「マニュアルでももらって話し方でも勉強しようか」程度の軽いノリ(調子)で応募してくる。そして、最初の授業で私が、「ここでは、話し方も教えないし、読むこともしない」というと、大半の学生は、③あてが外れた顔をする。しかし1回目の授業が進むにつれて、学生の目は輝き始める。そして「こんな大切なこと、なぜ今まで学校では教えてくれなかったのだろうか。もっと早く学べていたら……」という。 別に卓抜な講義をしているわけではない。当方にしてみれば、ジャーナリストのための教育の前に、言葉に対する考え方を、少々述べるだけなのだ。それも当然のことしか言わないのに。(中略) 対話力とは「読み取る力」「思う力」、それに「届ける力」の三つを総合した力なのだが、最初に鍛えなければならないのは「読み取る力.受け取る力」なのだ。これをしっかりとトレーニングする。そして体の中に「考える」とか「感じる」といった「思う力」を育てる。最後に、「思い」を言葉に翻訳しながら組み立てて、相手に届ける。届けながらも、場を読み、相手を読む。これが対話だ。 今、大手のS出版社の依頼を受けて、中学生向けの「話し言葉」の教材とマニュアルを作っている、先方の話によると、日本で初めての試みだそうな。初めてだからすべてがオリジナルである。そうか、初めてなのか。ぶぜんとせざるを得ない。 「思いやりを持て」「相手の身になって」「元気に大きな声で」そんな曖昧な指導ではなく、届く言葉を獲得するための具体的な教育方が必要なのだ。 新しい学習指導要領を見ると「思考力が想像力を養い言語感覚を豊かにし……」とある。実りある教育を期待しよう。 「しかしね」と現場の先生がつぶやいた。「結局、④あまり変わりませんよ。受験にはあまり関係ありませんから」。そうか、やっぱり受験、受験と活字だけに追われるのか。しかしね、先生。最後の関門、入社試験はインタビュー、「話し言葉」なんですがね。日本の子供は苦労するよ。⑤かわいそうに、全く。 
 
問1 どのように「①学校の国語教育が、変わり始めている」のか。  
1「話し言葉」の教育を始めようとしている   
2「話し言葉」の教育の内容を変えようとしている   
3「話し言葉」を受験に入れようとしている   
4「話し言葉」の教科書を作ろうとしている 
 
問2( ② )に入る言葉として適当なものを選びなさい。   
1 たとえ 2 まさか 3 きっと  4 むしろ問 
 
3「③当てが外れた顔をする」のはなぜか。   
1 NHKの講座なのに、マスコミの入社試験の勉強をしてくれないから   
2 マニュアルで話し方を勉強しようと思っていたのに、それをやらないから   
3 大切なことなのに、今まで学校では教えてくれなかったかな   
4 マニュアルでももらおうかという軽いノリで応募したのに、大変そうだから 
 
問4 現場の先生が「④あまり変わりませんよ」というのはなぜか。  
1 日本では初めての試みなので、まだ教育法が確立されていないから  
2 「思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにし……」と、相変わらずあいまいな指導をしているから  
3「話し言葉」は受験になく、熱心に取り組むとは思えないから  
4 今教材を作っているというように、準備不足は否めないから 
 
問5何が「⑤かわいそう」なのか。  
1 受験、受験と活字だけに追われること  
2 「元気に大きな声で」などというあいまいな指導を受けているから  
3 受験に関係ない「話し言葉」を勉強しなければならなくなったこと  
4 入社試験は受験に関係ない「話し言葉」で受けなければならないこと 
 
問6筆者は「会話力」をどんな力だといっているが。その要素として正しくないものを  選びなさい。  
1 自分が何を感じ、どう考えるかという力  
2 思いやりを持って、相手の身になって考える力  
3 何が書かれているか、相手が何を言っているかを理解する力  
4 自分の「思い」を言葉にして相手に届ける力 

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