オレは、紧急対策として头を抱えるようにして颜を隠した。これこそまさに正真正铭の「头隠して尻隠さず」であるが、颜さえわからなければそれでいいんだ。「あっ、この人、朝ドアの开いているトイレで踏ん张っていた人だ!」と后で同じ宿の人间に思われなければいいんだ。
そもそもこれは隣にいるのが见知らぬ人间、特に中国人だからこそまだ顽张れるが、たまたまルームメイトの外国人旅行者と隣り合わせになんてなったら男の友情も便器の藻屑である。たとえば今この姿を友人に见られてしまったら、そいつは今后一生オレと颜を合わせる度にオレの排便シーンを思い浮かべるわけだぞ? 特に今なんて、廊下を行く宿泊客全员から排泄シーンが丸见え状态なのだ(オレが入口のドアを闭めなかったせいで)。もしオレと结ばれる运命の女性がたまたまここに宿泊していて、そして神が决めた运命というのは绝対に変えることが出来ないとしても、この排泄ショットを运命の女性に目撃されたらその瞬间赤い糸はスッパンと切れ、神様も「ええっ!! 运命って変わっちゃうこともあったの?? 知らんかった……それマジ冲撃だわ……」と初めて気付くのではないだろうか。……頼む、この宿にたまたま泊まっていないでくれ福田萌ちゃんっ!!!
ここは短期决戦で行かねばならぬと手早く爆弾投下をすると次はおなじみの尻清扫なのだが、中国では、アジア诸国とは违い水ではなく纸で尻を拭くというシステムになっている。日本と同じだ。ところが中华便所の特徴的なところは、尻を纸で拭くくせにそれを水で流してはいけないのである。トイレが诘まってしまうため、拭いた后の纸は备え付けのゴミ箱に舍てるのだ。
先ほどの写真でも仕切りの手前に2つの丸いゴミ箱が设置されているのがわかると思う。ここに使用済みペーパーを投入するのだが、ここでまた汚らわしく怖ろしいのがそのゴミ箱の中身だ。なにせみんなが次々に使用済みを舍てていくものだから、繁忙期のゴミ箱は大抵こんもりし、しかも茶色い ピーーー(自主规制) が ピーーー(自主规制) ているのだ。ぐえ~~~~~~っ(号泣)。
ちょっとみんなさあ、舍てる前にちゃんと纸を畳もうよ(涙)。后の人が気分悪くならないように、アレの着いた部分は见えないように折りたたむのがマナーでしょ(号泣)??
更にそれに加えて次なる问题は、ゴミ箱が隣の人とも共用だということだ。これがまた厄介なのである。なにしろ仕切りで隣の人の様子はわからないのに、ゴミ箱だけは同じものを共同で使うのだ。ということはつまり、タイミングが悪ければ両方の人间が同时に使用済み纸を投入しようとし、ワンテンポ早く手を出した方が、遅い方の茶色いシミ付きペーパーの直撃を受けることも考えられるのだ。そんなことになったら、それこそまさに思想家キルケゴールが「死に至る病」と表现した、「绝望」の世界ではないか。
ただ、绝望の渊に一轮の花が咲くことも无いことは无く、たまたまそのように隣のおっさんと同时に使用済みペーパーを舍てようとして手と手が触れあい、それをきっかけに新しい恋が芽生えるなんてこともあるかもしれない。使用済みトイレットペーパー(茶色)から生まれた恋である。ああなんてバカバカしいんだ。
そそくさとズボンを履くと、オレはまだまだ颜を隠しながらトイレを出て部屋に戻った。
これから1日の始まりであるが、朝のトイレだけでこんなに文章を书けてしまったのは、まさにエチオピア以来である。……でも、よかった。汉字や律令制度と一绪にこのトイレの习惯が日本に伝来しなくてよかった(涙)。