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昆明篇 12
日期:2016-12-16 19:31  点击:286
 ……この汽車站に来て、初めて誰かとわかり合う事が出来ました(涙)。なんでこんなことになってるんだ。はっきり言って、中国人よりそこら辺を歩いてるノラ犬の方がよっぽどコミュニケーションがとれるぞ(号泣)。
 
 「ニーチュイシーリンマ?」
 
 「イヤ~~~~~ッッ(涙)!! お許しになって~~~~~(号泣)!!!」
 
 「ニー! チュイシーリンマ!?」
 
 「おやめになって~~~~っっ(涙)!!! ……えっ? しーりん? 今しーりんて言いましたあなた?? そうです僕はしーりんに行きたいんです!!! シーリン、略してシリに行きたいんです(号泣)!!」
 
 「ライ!!」
 
 オレがあまりの辛さに野良犬と抱き合って泣いていると突然現れたしーりんおばちゃんは、「ついて来いアル!」という命令をジェスチャーで表すと、ペッペッと唾を吐きながらりりしくオレの前を歩き出した。
 
 これは頼もしいではないか。本日、ノラ犬以外に初めて双方向(次世代)の意思伝達が成立した生命体がこのしーりんおばちゃんである。彼女を追いかけてバスの間をすり抜け道路を横切り裏通りに入ってとあるホテルの駐車場に行くと、1台の観光バスが停まっていた。
 
 「ライ! ほら、もう出発アルよ! 早く入るアル!!」
 
 「わかりましたアルっ!! 謝々! 謝々謝々!!」
 
 「プーヨンシェー(どういたしましてアル)」
 
 慌てて汽車に駆け込みひとつだけ空いていた座席に座ると、すぐにバスは発車した。
 
 なんとか見つけたぞ……。それにしても大変だった。だいたいなんでこんなホテルから石林行きなんだよ……絶対わからないじゃねーかよこれじゃあ……。
 
 「ニー!! ケイウォーウーシークワイチェン!!」
 
 「ハイッ!! なんですか? 50元ですかっ?? はいどーぞ!!」
 
 先頭にいた若いねーちゃんに金を渡すと、彼女はカバンに紙幣をしまうやいなやマイクを持って「ニーシーチューチーチョーニーシーチューチーチョー!!!」と車内に向かって喋り出した。なぜか、手に小旗を持っている。どうも、「今日の予定は10時に○○寺に着いて1時間見学、それから12時に昼食を摂りまして午後1時から3時間ほど石林の見学となります~」てなことを解説しているようだ。
 
 ふと落ち着いてバスの中を見渡すと、オレ以外全員中国人で満席である。家族連れが多く、実に微笑ましい。
 
 …………。
 
 これはツアーバスじゃねえかっ!!!
 
 中国人の団体ツアーにオレひとりで参加させられているっっ(涙)!!! オレの宿からも外国人用のツアーが出てるけど、気楽に観光したいからわざわざ個人的に行こうとしたのに!! なんで中国人用のツアーに合流してるんだオレはっ!! なんてこったい(泣)!!!
 
 言葉が全然理解出来ないのに、中国人団体観光客の一員だなんて。途中で置いて行かれるんじゃないだろうか。こりゃどうなること矢羅っ!!! 来週煮続苦!!!
 

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