さて、一見してこの黒塊、単純に色から判断すると白人のものではないような気がしてしまうが(だって白くないから)、それはアリバイ工作である。今回の猟奇事件の鍵を握るのは、この「ニーハオトイレ」と呼ばれる中国の便所のシステムそして、和式便器に慣れていない欧米諸国のバックパッカーなのだ!
まず、中国人ならば慣れきった自国のトイレで今さら標的を外すことは考えにくい。だから、この事件では現地の人々は容疑者リストから外してよい。今回の不祥事は、中国のトイレのスタイルに不慣れな、すなわち排便シーンを他人から見られることを恥ずかしいと思う人間が起こしたものだ。そいつは人目を避けようと、しゃがみながらどんどん後ろに下がり(前方にドアがないため)、さらに日本人などアジア人は和式便器の感覚でどこまで下がるとはみ出るかということは体でわかっているが、洋式便器しか使っていない犯人の尻は、恥ずかしさと和式便器のサイズへの無知により、便器の後方限界点を通り過ぎてしまったのである!! つまり、犯人は白人旅行者だ!! 我々は、狡猾な真犯人によって見事にスケープゴートとして利用されてしまったのである!!!
どうでもいいんだよそんなこと。
それにしても、トイレに壮大な苦労がある国って旅するのが激烈に辛いんだよな……。だって1日中、移動や食事や観光やデートやキスの時でも「ああ宿に帰ってからトイレ行くのイヤだな~(涙)。明日の朝もトイレ行くのイヤだな~~(号泣)」という気持ちが常に頭の片隅に残るのだ。その国から出るまで、一時たりとも完全な精神のリラックス状態にはトイレのせいでなれないのである。このトイレじゃあ、小野妹子も随分苦労させられたはずだぜ。隋から帰国して聖徳太子に報告した内容は、ほとんど「いや~、中国のトイレってマジ最悪でしたわ。だってドアが無いんすよ? それに紙で尻拭いたらゴミ箱に捨てるんですよっ!! しかもちゃんと畳まないもんだから茶色いのが見えてもうおげれつ極まりないのなんのって! 信じられないっしょ!! 妹子かなしいっ!!」みたいなものだったに違いない。小野妹子が最も伝えたかったことはそれだったはずだ。しかしそれではあまりにも品格が無いということで、推古天皇に上げる前にトイレの話は聖徳太子判断で報告書からもみ消されたのではないだろうか。
ただ、小野妹子といえばよく女性に間違われる紛らわしい名前のため、実際中国で女のフリをして女子トイレに入ってしまえば、男子トイレから一転してそこにはまさにめくるめく下半身の夢想郷が……
オレもこれを機に、中国にいる間は女装に目覚めようかな。でもトイレではお互いにあそこを晒すわけだから、モロにバレるか……。