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丽江篇 11
日期:2016-12-16 19:42  点击:304
「わしは決して貧乏な人間に強要したりはしない。お金のない中国人が訪ねてきたら、決して診療費を取ったりはしない。でも、おまえがもしたくさん金を持っている、つまりリッチパーソンだというのならば……」
 
「話が終わらないでしょうがっっ!!! わかりました、数十元にあと10元足します! これで受け取ってね!」
 
「とりあえず受け取るが、よく考えたまえ。わしの漢方薬は良く効くんじゃ。100ドル払っても安いと言ってくれるものもおる」
 
「そうだ、推薦文書きますよ! さっきのコメントノート貸して下さい!」
 
「おお、そうか。ほら、こっちだ」
 
さすがドクター、82歳とはいえ頭の良くなる漢方薬を飲んでいるだけあって、支払いに関する議論では若者にも一歩も譲らないな。なんて元気なんだ。
 
日本人の日本人による日本人のための日本語のコメントノートに「ドクターのアホ」と記入しようとしたのだが、ふと見ると鉛筆を持つオレの姿を、ドクターが不老不死の人間にしか出せないすさまじい眼力で見つめている。な、なんとなくこの人、日本語がわからなくても悪口を書いたら気で察知しそうだな。怖い。ここは無難なコメントを書いておくか……麗江から白沙村まで自転車で来たらとても疲れました、おいしいお茶ありがとう、ドクター長生きしてね、と……
 
「はい、書けました。それでは今日はありがとうございました」
 
「よしよし、ところでわしはこの村だけでなく中国、世界の患者のために漢方薬を栽培しておる。だから、もしおまえが貧乏ならば無理は言わないが、仮にリッチだというのなら、100元、200元……」
 
「まだ言ってるんですかっっ!!! 僕は麗江からここまで1時間自転車を漕いで来てるんですよっ!! そんな人間がリッチだと思いますかっっ!!!」
 
「思わない。それもそうだな。じゃあま、サイナラ」
 
「はーいシェーシェーどうもー」
 
やはりインドと違い雲南省出身だけあって、しつこくてもあまり強気に出られない人の良いおじいさんは、最終的に素直に諦めてオレを見送ってくれた。
 
尚、本当かどうかはわからないが、ドクターはここで何人もの弟子を育て、今では世界各地で彼らが活躍しておりまた、世界各地から届けられる「漢方薬を送ってくれ」という手紙にじいさんは支払いを待つことなく律義に郵送してあげているそうだ。それが本当だったらやはりスーパードクターではないか。これで本当に薬が効いたら神医確定である。
 
で、肝心の漢方薬の効き目はどうなったかというと、わら半紙で包んだだけの粉薬、オレはリュックに入れて山道で自転車を漕ぐこと1時間、宿に着いてやれやれと荷物を開けてみると、リュックの中では粉の大嵐が巻き起こっていた(号泣)。一緒に入っていたガイドブックやタオルにパスポート、全てサラッサラの漢方薬まみれ(涙)。ドクター、何十年もやってるんだからさあ、もうちょっと包み方を考えてよ(泣)。
 
悲しいことに、リュックを掃除すると必然的に、麗江の大地で採れたドクターの漢方薬は再び麗江の大地にかえって行くのであった……(号泣)。
 
スーパードクター神医!なのか?

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12/01 10:00