と、いうことでやっと夜中の3時に眠りにつき、3時間後の朝6時に起きた。眠い……。昨日はちゃんと夜の10時に床に付いたんだから8時間は寝られる予定だったのに、なんで3時間しか寝れてないんだろう。あとの5時間何やってたのオレ? 苦しまされていたの(涙)??
まだ真っ暗な中、タクシーを見つけてバスターミナルまで行くと昨日も見かけた白人3人組が一緒であった。「ノンスモーキングのバスはないか?」などとオレに聞いて来た奴らである。この自分本位なところは、ユダヤ人じゃないだろうかとオレが予想している奴らである。まあ、今ならわかるよ。隣で5本吸われると、こっちも1本吸ったことになるんだもんな。辛いよなそれは。……ふと思ったんだけど、例えば受動喫煙と同じで受動授乳みたいなものも成立したりするのだろうか? 産婦人科の待合室なんかに行って、周りで5人の赤ん坊がオッパイを吸っていたら、オレも1パイ吸った気分になれるのだろうか?? ちょっと今度忍び込んでみようかな……。だって、吸いたいもん。
我々の目的地は成都への第2の経由地、郷城である。第1の経由地はここ香格里拉、そして毎日移動を繰り返し第4までを経由して5番目がやっと成都なのである。長い道のりだ。香格里拉をスタートして数時間で雲南省を抜け、中国入り後初めて省が変わり、四川省に入った。
四川省というのは昔中国では「蜀」と呼ばれた地域であり、なんといっても険しい自然に阻まれて通行が困難なことで有名だ。
まさに評判の通りで、四川省に突入してからは標高4000メートルの山肌がちょっと削られただけの道をガタガタと走行、運転手がほんの5秒居眠りすれば全員揃って谷底転落。ああ恐ろしい。……なんていうふうに危険だということを強調して書いても、今までこんなことはいくらでもあったので、「下手したら全員揃って谷底転落」程度の文章には今さら読んでいる人も誰も驚いてないみたい。みんな、もう旅行記を読み始めた頃の新鮮な気持ちを失ってしまったんだね……(涙)。悲しいよオレは。
でも大丈夫だろうな。運転手さん、まさか居眠りなんてしないだろうな。まさか睡眠不足の状態でバスに乗ってないだろうな? …………。そういえばオレ昨日、深夜2時に運転手風のルームメイトを叩き起こして部屋から追い出したけど、違うよね。あの人じゃないよね運転してるの。このバスじゃないにしても、もしかしてあの人睡眠不足のままバスを運転して今頃どこかで転落してるかもしれないな……。でもまあ、他のバスならいいの。オレが乗ってるバスでさえなければ別にいいの。
途中検問に引っかかってしばらく止まることがあったのだが、例の白人はまたもやオレに「いったい何が起きているんだ?」と聞いて来る。……だから、オレは中国人じゃないんだってーの!! 見てわかるだろっ!!! 中国語はあんたらと同じくらい出来ないし、英語はあんたらの十分の1くらいしか喋れないし、なんの役にも立たない人間だっつーの(涙)!!!! 自分が情けないっつーの(号泣)!!!!