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四川篇 14
日期:2016-12-16 20:00  点击:376
 豪華中華料理がババーンと並び、さあ食えおまえら!と勧めたところ彼らは全ての皿からひと口ずつ食って「辛いぞっ! こんな辛いもの食べられないっ!!」と文句を垂れた。
 
 ……この人たち、今までどうやって旅行してたんだろう。中国旅行楽しいんだろうかこの人たち。
 
 結局、3皿のおかずは全部オレが一人で食った。こんなもん美味すぎる。苦しむどころかご飯もお替りして最後まで恍惚の表情で食い尽くしてやったぜ。それにしても、イスラエルでオレがよく食っていたフライドチキンやハンバーガー、はたまたアラビア料理のピラフみたいなもの、そして中国で出て来る全ての中華料理までオレにとってはどれも美味しい。街へ出ればどんな食文化にも触れ合える環境で育ったなんでも食べられる日本人というのは、こと食に関しては最高に幸せな立場なのだなあ。中華料理を美味しく食えないって、人生の半分損してるぜあんたら??
 
 3人はおかずには一切手をつけず、ただ白いご飯だけを寂しそうにチマチマと食っていた。ご飯の入った茶碗を持って、塩だけふりかけて味を付け、使えない箸を2本一緒にグーで握ってちょぼちょぼと白米をかき込む姿を見ていると、さすがにあまりにも気の毒でオレは少し目が潤んだ。キミたち、中国に何しに来たの? 何度もしつこく聞くけど。
 
 再び崖っぷちを走り、昨日と全く同じルートを逆方向に8時間。既に香格里拉は夜の帳に包まれ……しかしなんとか帰って来れた。たった1日だけで四川省から雲南省へ逆戻り。
 
 タクシーは香格里拉のバスステーションに着き、夜も遅いというのに3人組と2人組はそれぞれそのままバスとタクシーに乗り換えて、別ルートで四川省方面を目指して消えて行った。オレは疲労感いっぱいなので客引きのおばさんについて招待所で一泊である。
 
 非常に無駄足な、わけのわからない2日間であった。

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