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ウサギとカメとフクロウ
日期:2016-12-17 09:06  点击:344
 むかしむかし、由良(ゆら→和歌山県のほぼ中央)の小山に、ウサギとカメとフクロウが住んでいました。 
 
 ある日の事、ウサギとカメがかけっこをする事になり、空を飛べるフクロウが審判を引き受けました。 
「ヨーイ、ドン!」 
 フクロウの合図に、ウサギとカメは、ピョンピョン、ノソノソと、かけ出しました。
「へへーん。ウサギがカメに負けるものか」
  先を走るウサギが、もう少しでゴールという時、空からフクロウが言いました。 
「ウサギさん。カメさんは、もうとっくにゴールについているよ」 
「なんだって! そんな馬鹿な事があるものか!」 
 ウサギがあわててゴールにかけ込んでみると、先についたカメがゆうゆうと汗をふいているではありませんか。 
「うそだ! ウサギがカメに負けるなんて、こんなおかしな事があるものか!」 
 ウサギは、もう一度カメと勝負をしましたが、今度も負けてしまいました。
「わーん! カメに負けてしまったよー!」 
 ウサギはくやしくてくやしくて、小山の木かげにかくれて泣き続けました。 
 そしてあんまり目をこすったので、ウサギの目はまっ赤になってしまいました。 
 そこへ神さまが現れて、ウサギに声をかけました。 
「これこれウサギよ、もう泣くんじゃない。
 お前は、フクロウとカメにだまされたんじゃ。
 お前と一緒に走ったカメは山の中で引きかえし、小山の向こうで待っていたカメが先にかけ込んだのじゃ」 
 それから神さまは、二匹のカメを捕まえて、 
「この、おうちゃく者め!」 
と、つえで背中を叩きました。 
 それでカメの背中は、ひびだらけなのです。 
 
 次に神さまは、フクロウを捕まえて、 
「この、ろくでなしめ!」 
と、フクロウの目玉をつえで叩きました。 
 それでフクロウは、夜しか目が見えなくなったのです。

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