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葉のない木と葉のある木
日期:2016-12-21 19:38  点击:417
 むかしむかし、スズメとカラスが林に行って、楢(なら)の木に一夜の宿を頼みました。 
 すると楢の木は、 
「ふん。お前たちみたいなやつに、宿なんか貸せんわ」 
と、断ったのです。 
 するとそこへ神さまがやって来て、楢の木に言いました。 
「これこれ。へる物でもないし、一宿ぐらい貸してやれ」 
 しかし楢の木は、首をふって言いました。 
「いいえ、いくら神さまに言われても、こればっかりはゆずれません。
 わしは木の中でも、位の高い楢の木です。
 他の木とは、格が違います。
 ツルやタカと言った格の高い鳥ならまだしも、スズメやカラスごときには宿は貸せません」 
「そこを曲げて、今回だけでも」 
「いいえ。曲げられません」
「どうしてもか?」
「はい、どうしてもです」 
 この楢の木の態度には、さすがの神さまも腹を立てました。 
「それなら、仕方がない。今日以降、お前たちは、冬は葉のないようにしてくれる。それでも、いいのか?」 
「はい、お好きなように」 
「よし、わかった! ???では、お前たち、わしが他を当たってやるから、一緒に来るがいい」 
 神さまはそう言うとスズメとカラスを連れて、今度は杉や松や檜(ひのき)のところへ行きました。 
「実はな、これこれこういう訳で、スズメとカラスが困っておるのだ。どうだ、一晩の宿を貸してもらえないだろうか?」 
 すると、杉も松も檜もこころよく言いました。 
「はい。それでは、どうぞ私たちを宿にお使い下さい」 
 これを聞いた神さまは、とても喜びました。 
「おお、そうかそうか、お前たちは、実に良い心がけをしておる。この褒美に、お前たちはどんな時でも葉があるようにしてやるかなら」 
 
 こんな理由で、今でも楢の木は冬になると葉がなくなり、杉や松や檜たちは冬でも葉が青々としているのです。

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