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小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびのみゆき待たなむ
貞信公
【歌意】 小倉山の峰の紅葉の葉よ、もし心があるのなら?もう一度ある行幸のときまで散らずに待っていておくれ。
【作者】 (ていしんこう) 880~949年 藤原忠平。関白藤原基経の四男。貞信公は諡号(しごう)。
【説明】 小倉山は京都市右京区嵯峨にある山。宇多上皇が大堰川に御幸した際、紅葉のあまりの美しさに感動して、この紅葉を醍醐天皇にもお見せしたいと言ったのを、貞信公がそれを歌に詠んで天皇に奏上したもの。智天皇の作とされるようになったらしい。晩秋の農作業にいそしむ静寂な田園風景を詠んだ歌。