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山里は 冬ぞさびしさまさりける 人目も草もかれぬと思へば
源宗于朝臣
【歌意】 山里はいつもさびしいけれど、とりわけ冬はさびしさが増してしまう。訪れる人もなくなり草も枯れてしまうから。
【作者】 (みなもとのむねゆきあそん) ?~939年 光孝天皇の孫。三十六歌仙の一人。官位が進まず不遇だった。
【説明】 「かれ」は「離れ」と「枯れ」の掛詞。訪ね来る人もなく、草も枯れ果てた冬景色が、生命とのふれあいがなくなったことを実感させ、孤独な寂しさを浮き彫りにしている。