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白露に 風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
文屋朝康
【歌意】 葉の上の白露に風が吹きつける秋の野は?その露が散りこぼれ、まるで紐を通していない玉が飛び散るようだ。
【作者】 (ふんやのあさやす) 9世紀後半から10世紀初頭にかけての人。文屋康秀の子。
【説明】 風に吹き散らされる秋の野の一面の白露の美しさを詠った歌。白露を玉に見立てて、それを紐で貫くというのは、平安時代の歌の常套的な表現。