40、
しのぶれど 色にいでにけりわが恋は 物や思ふと人の問ふまで
平兼盛
【歌意】 誰にも知られないように切ないまでの恋心を包み隠してきたのに、とうとう顔色に出るまでになってしまった?「何かに思い悩んでいらっしゃるのですか」と人に問われるほどに?
【作者】 (たいらのかねもり) ?~990年 篤行(あつゆき)王の子。
【説明】 この歌は、天徳4年(960年)に村上天皇主催の歌合で、次の壬生忠見の歌と優劣を競わされた。判者が結論を出すのに困っていたところ、天皇が「しのぶれど」と口ずさんだことから、この歌が勝ちとされた。