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由良(ゆら)のとを わたる舟人 かぢをたえ ゆくへも知らぬ恋の道かな
曾禰好忠
【歌意】 由良の瀬戸を渡る船頭が、櫂をなくして行く先もわからず漂うように、私の恋路もこの先どうなることか不安でたまりません。
【作者】 (そねのよしただ) 10世紀後半の人。
【説明】 「由良のと」は丹後国(京都府)の由良川の河口。「と」は「水門(みなと)」の意で、瀬戸や海峡のことで、流れが激しい。作者は丹後国の掾(じょう)(国庁の三等官)だった。