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かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな もゆる思ひを
藤原実方朝臣
【歌意】 こんなにあなたが恋しいのに私の気持ちを言うことができない。まして伊吹山のさしも草のように、私の燃えている心をあなたは知らないんだ。
【作者】 (ふじわらのさねかたあそん) ?~998年
【説明】 「いぶき」は「言ふ」と「伊吹」の掛詞?「おもひ」は「思ひ」と「火」の掛詞。思いを寄せる相手に初めて心の内を打ち明けた歌。