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嘆きつつ ひとり寝る夜の明くるまは いかに久しきものとかは知る
右大将道綱母
【歌意】 嘆きながら一人寝る夜の明けるまでが、どんなに長く感じられることか、あなたはきっとご存知ないのでしょうね?
【作者】 (うだいしょうみちつなのはは) 937?~995年 藤原兼家の第二夫人となって道綱を生んだ。『蜻蛉日記』の作者。
【説明】 夫の藤原兼家がやってきた時、門を遅く開けたところ、「立ち疲れた」と言ったのに答えた歌。ひとり寝の夜長に堪えられない気持ちを訴えている。