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心にも あらでうき世にながらへば 恋しかるべき 夜半(よは)の月かな
三条院
【歌意】 自分の心を押し殺して、この辛い世の中を長らえたならば、きっと恋しく思えるだろう、夜中の月よ。
【作者】 (さんじょういん) 976~1017年 令泉天皇の第二皇子。在位5年で譲位。翌年に崩御。
【説明】 眼病を患い、帝位を去ろうとしたころに詠んだ歌。藤原道長が先帝一条院と自分の娘?彰子との間に生まれた皇子を即位させようと、退位を迫るという状況もあった。