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うかりける 人を初瀬の山おろしよ はげしかれとは 折らぬものを
源俊頼朝臣
【歌意】 つれないあの人が私を顧みるよう初瀬の観音様にお祈りをしたのに。初瀬の山おろしよ、あの人がいっそうつれなくなるなんてお祈りしていませんよ。
【作者】 (みなもとのとしよりあそん) 1055~1129年 勅撰集『金葉集』の撰者。
【説明】 「初瀬」は、大和国(奈良県)の地名。長谷寺があり、現世利益の観音信仰の霊場だった。