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嘆けとて 月やは物を思はする かこち顔なる わが涙かな
西行法師
【歌意】 嘆けといって月は私に物思いをさせるのか、いやそんなはずはない。でも、月のせいであるかのように、私の涙はあふれ落ちる?
【作者】 (さいぎょうほうし) 1118~1190年 俗名?佐藤義清(さとうのりきよ)。23歳で出家し、全国を行脚する。家集『山家集』がある。
【説明】 月に相対して恋人を思う歌。西行は出家者でありながら、恋の歌を多く詠んだ。