孟子去齊居休、公孫丑問曰、住而不受祿、古之道乎、曰、非也、於崇吾得見王、退而有去志、不欲變、故不受也、繼而有師命、不可以請、久於齊、非我志也。
孟子は斉を去って、休(きゅう。山東省)に滞在していた。公孫丑が質問した。
公孫丑「仕官しながら禄を受けないというのは、いにしえの道だったのですか?」
孟子「いや、そうではない。じつは崇(すう)で斉王に始めて会見したときから、(おそらくこの王は仁君たりえないと見切って)立ち去ることを考えていた。嘘をつくのがいやで、禄を受けなかったのだ。そのうち戦争が起こって、役目を拝命した。もはやこうなれば暇乞いもできなかった。長らく斉にいたのは、余の志ではなかった。」