地球温暖化対策の国際ルールである「パリ協定」は、米国が主導し、難交渉の末にまとまった。その経緯を考えれば「まさか」である。しかし、トランプ大統領の日頃の言動からすれば「やはり」であろう。米国の利益のために協定から離脱すると、一昨日表明した。
地球温暖化政策国际公约《巴黎协定》是由美国主导,经历重重交涉后才制定出来。想想这一系列过程,“竟然如此困难”。然而,从特朗普总统近日的言行来看,又觉得“果然还是这样”。他前天公开表态,为了美国的利益,决定脱离协定。
「私はピッツバーグで選ばれたのであって、パリではない」。かつて石炭や鉄鋼で栄え、今は寂れる地域の代表格として大統領は都市の名をあげた。投票してくれた人々との約束を守ると強調したのだろうが、世界への視座はどこにもない。
“我是在底特律当选的,而不是巴黎。”该地曾经因煤炭业和钢铁业而兴盛一时,而今这座城市作为经济萧条地区的代表而被总统提及。他虽然强调这是为了遵守与给其投票的选民的约定,但根本没有从全世界的立场来考虑。
米国では法制度を変えて利益を選挙区に誘導する手法を「ポークバレル(豚肉のたる)」という。食いぶちを地元に運んでくる意だろう。離脱方針は世界を向こうに回したポークバレル政治とも取れる。
在美国,人们将许诺修改法律制度以争取选区投票的手法称为“ポークバレル”。其意思是给当地发伙食费。向世界表态退出协定,也成为特朗普总统玩弄政治的道具。
恩を着せられたピッツバーグだが、市長はツイッターで「私はパリ協定の指針に従うことを保証する。人々と経済、未来のために」と述べた。国はどうあれ国際ルールを尊重し発展をめざす姿勢だろう。地球の利益と地域の利益は、決して別々ではない。
在似乎获得好处的底特律市,市长在推特上说:“我保证遵从巴黎协定的方针。这是为了国民和经济的未来。”他表示,无论国家如何,自己都会在尊重国际公约的前提下发展经济。地球的利益和地区的利益,两者绝不矛盾。
大統領は見えていないか、見ないふりをしているか。演説でどこか元気がなさそうだったのは、事の重大さを内心分かっているからかもしれない。
总统是没看到呢还是装作没看到?在演说中,他之所以显得有点无精打采,或许就是因为该事情的重要性。
滝のように降る雨の回数が倍増し、真夏日が年間49日増える――。このまま何もしなければ、21世紀末に訪れる平均的な日本の姿という。大国の離脱にゆるみ、世界が対策をサボり出す。絶対にあってはならないシナリオである。
如同瀑布一般的降雨次数将成倍增加,酷暑日也增加到每年49天……。如果依然无所作为,那么到21世纪末,这将成为日本的常态。因大国退出而造成行动迟缓,世界也因此疏于考量对策。这种情况决不允许发生。