就職氷河期のころに刊行された学生向けの本に「実践的印象操作テクニック」という言葉があった。面接攻略のコツを指南していわく、「見抜く」「引き込む」「操る」。面接に四苦八苦したわが就活の日々を思い出す。せめてお辞儀や笑顔くらいは好印象を、と鏡の前で練習に励んだ。
在就业冰河期面向学生发生的书中,有这样一个词,“实践性印象操作技术”。其号称能指点面试的精髓,即“看透”、“引诱”和“实践”。这令我想起了我面试时的诸多辛苦经历。该书鼓励学生至少要在镜子前进行礼仪和笑容的训练,以此博得考官的好印象。
就活とは無縁のはずの国政の場でしきりに「印象操作」という言葉を聞く。目立つのは安倍晋三首相の頻用である。森友学園や加計学園の疑惑を追及されると、「それは印象操作だ」と反撃して質問をかわす。
与就业活动本应没有任何关系的商讨国政之地,居然也能频频听到“印象操作”(意味抹黑)这个词。其中最令人印象深刻的是安倍首相。当他被问及是否牵扯进森友学园和加计学园的问题时,他反驳说:“这只是印象操作罢了”,以此来规避质问。
どこから来た言葉なのか。社会学事典に手がかりがあった。アービング・ゴフマンなるカナダ出身の社会学者が1950年代に提唱した概念という。人のふるまいを演劇ととらえ、人は観客を意識して自分の印象を管理していると説く。
这个词语究竟从何而来?我在社会学百科辞典上找到了线索。据说这是加拿大社会学者戈夫曼在1950年代提出的概念。他把人类的行为比作戏剧,并主张人要有观众在侧的意识下管理个人印象。
社会学の世界では広く知られた研究者だという。印象操作を論じた主著『行為と演技』を読む限り、彼の語法には、何かをねじ曲げたり、だれかをおとしめたりするような攻撃的な含意は感じられない。
据说他在社会学界里也是一位广为人知的学者。我读了他论述“印象操作”的主要作品——《行为和演技》后,感觉不到一丝类似于扭曲某些事物、贬低某些人等充满攻击性的含义。
あえて首相の語法に同調するならば、前文科次官に対する政権の攻撃こそ、まさに典型的な印象操作と呼ぶべきではないか。共謀罪の名を隠して「テロ等準備罪」と呼び変えるのも、堂々たる印象操作だろう。来週にも参院で可決成立させようとしている。
然而若是搭配首相的语法来看,其针对前文部科学省事务次官所说的“政权攻击”不就是彻头彻尾的“印象操作”吗?匿去所谓的同谋最,改口称之为“恐怖袭击等预谋罪”,也是明目张胆的“印象操作”。据说下周该法案将在参议院审核。
どうにも好きになれない言い回しではある。それでも年末になれば新語流行語の賞に選ばれる予感がする。「忖度(そんたく)」とどちらが上位に来るだろうか。
这些言词让人颇为不喜。然而我却预感其能入选年底的新词流行语。它和“忖度”(揣摩)到底哪个排名更高呢?