手塚治虫は幼いころ、母親から漫画の本を読んでもらっていた。親が子に読み聞かせをするのが今ほど一般的でなかった時代である。しかも、その読みっぷりが傑作で、登場人物の声色を使い分け、面白おかしく演じてくれた
手冢治虫在他幼小的时候,总是让母亲给他读漫画书。在那个时代,父母给孩子读书并不像如今这么普遍。而且,还十分讲究读书的方式,不仅要区分出场人物的音色,还要做一些有意思的表演。
聞きながらわくわくしたり、はらはらしたり、感きわまって泣き出したりしたと、自著に書いている。漫画の巨匠を育てた肥やしの一つに、きっとなったのだろう。
一边听着一边还会随着故事内容一会儿兴奋,一会儿担心,甚至情到极致而哭出声来。在大师的著作里有这方面的详细叙述。想必这一切正是培养出一代漫画巨匠不可或缺的条件之一。
学校に入る前の幼児教育は、かなり将来まで影響を及ぼすのではないか。そんな議論が注目されている。第一人者であるヘックマン米シカゴ大教授の著書『幼児教育の経済学』には、所得の低い家庭から幼児を選び、無償で教育を施した研究が紹介されている。40歳時点で他と比べると学歴や収入が高く、生活保護を受ける割合が低かったという。
看来入学前的幼儿教育的确极大地影响着孩子的将来。这方面的探讨深受关注。堪称此类研究第一人的美国芝加哥大学教授赫克曼的著作《幼儿教育经济学》中介绍称了一种研究方式,选一个经济收入较低家庭的孩子,对其进行无偿的教育。当这孩子长到40岁的时候发现,他比其他同龄孩子学历以及收入都要高,而接受生活保护的比率却更低。
「機会均等を声高に訴えながら、私たちは生まれが運命を決める社会に生きている」とヘックマン氏は米国を嘆く。誰もが親から知的刺激を受けられるわけではない。だからこそ、公的な幼児教育で不平等を解消したいという訴えである。
“尽管极力主张机会均等,可是必须承认,我们生活在一个出身决定命运的社会”,赫克曼先生对于美国的现实十分沮丧。不是任何人都能够从父母处接受到知性刺激的。为此,他呼吁要在公共幼儿教育方面消灭不平等。
程度の差はあれ、我が国にも通じる問題だろう。お金のかけられる親による英才教育ではなく、格差の縮小につながる幼児教育。それが可能だとすれば、十分検討に値しよう。
虽然程度上有所区别,其实我国也存在着同样的问题。不搞靠父母花钱的英才教育,而是以缩小差别为目标的幼儿教育。如果祈愿能够实现,那么还是值得进行充分的研究的。
幼児教育は学力だけでなく、根気強さや注意深さ、意欲などの「非認知能力」を育むのが大切だと、ヘックマン氏は説く。それは案外、「三つ子の魂百まで」の現代版なのかもしれない。
赫克曼认为,幼儿教育并不只注重学习能力的培养,坚强的毅力、深切的注意力以及意欲等“非认知能力”的培养则更为重要。也许这种方式更有可能成为谚语“三岁看到老”的现代版。