あるもの(こと)を、言葉で表現するというのは、ところどころ穴の開いたバケツで水をすくおうとするのに似ています。自分が一生懸命に水をすくっているのに、知らない間に、いくらかの水は、穴からこぼれ落ちてしまっているのです。つまり、言葉で表現すると、そのもののすべてをことばで言い表そうとしているにもかかわらず、必ず、言い表そうとしていることの一部が、口にされたことばからこぼれ落ちてしまう、ということです。私たちは、このことをしっかり胸にとどめておかなくてはなりません。
1、この文章の内容と合うものはどれか。
①言いたいことすべてをことばで表現するのは困難であるということを忘れてはならない。
②ことばで言いたいことを表現するのは難しいが、一生懸命練習すればできるようになる。
③言いたいことを十分に伝えるには、ことばを使ってすべてを表現しなければならない。
④いくら表現しようとしてもこぼれ落ちてしまうことば、最初から言う必要はない。