まだ幼かった頃、近所の原っぱで紙芝居を見終えた後、夕ご飯に間に合うように走って帰った夕暮れの美しさは今も忘れない。あの頃、時間とか、自分を取り巻く世界を、一体どんなふうに感じていたのだろう。一日が終わってゆく悲しみの中で、子供ながらに、自分も永遠には生きられないことを漠然と知ったのかもしれない。それは子供が持つ、本能的な、世界との最初の関わり方なのだろうか。
1、「それ」というのは何か。
①夕暮れがとても美しいということを知ること。
②自分を取り巻く世界が悲しいということを知ること。
③一日が終わってしまうのが悲しいということを知ること。
④自分にもいつか終わりがあるということを知ること。