あるとき、私はイギリスにいて、数ヶ月後の学会主席についてロンドンの事務局と電話で話していた。先方は、「リターン・チケットをくれる」という。私は少し慌てて、「いや、帰りの切符だけでは困る。今はイギリスにいるけれども、一度日本に帰ってまた来ることになる。だから、何とか往路の切符ももらえないか」と言った。ところが、どうも話が通じない。押し問答をしているうちにはっと気付いたのだが、イギリスで「リターン・チケット」とは、往復切符の意味だ(アメリカでは「ラウンド・トリップ」という)。往復切符をくれると言われたのに、往復切符をくれと騒いでいたわけである。
1、「どうも話が通じない」のはなぜか。
①筆者が困って騒いだから。
②電話で話していたから。
③筆者が「帰りの切符だけでは困る」と言ったから。
④筆者が「リターン・チケット」の意味を誤解していたから。