二十年に一度の流星群がやってくるのに、街の灯が明るすぎて、この住宅地からは見ることができない。充は今更ながら、義弘と喧嘩したことを悔やんだ。喧嘩さえしなければ、②人で隣町の高原に行って星を見られたし、なによりも義弘と一緒なら、誰と行くよりもすばらしかったはずだ。
そんなことを考えながら、ふと窓の下を見ると、いつもの野球帽をかぶった義弘が、充の家の前にぽつんと立っていた。と、同じ瞬間に目が合った。
「降りてこい。流れ星、見に行くやろ。」
義弘は声を出さずに、まぬけたジェスチャーでそう言っていた。充もまた「あほや」。と声を出さずにつぶやき、笑いながら義弘に大きくうなずいていた。
1、「笑いながら義弘に大きくうなずいた」のは、なぜか。
①喧嘩したはずの義弘が迎えに来たことがうれしかったから。
②家の前に立っている義弘のジェスチャーがばかばかしく、面白かったから。
③義弘が来たことで、だれかと流星群を見に行けるのがうれしかったから。
④喧嘩したはずの義弘は自分に負けたから。