ある時期、あるところに、傑出した野心家たちが集まることがある。「水滸伝」の故事にちなみ梁山泊と呼ばれる。明治初めの築地梁山泊は、大隈重信の邸宅を指した。若き伊藤博文や五代友厚らが出入りし、明日の日本はどうあるべきか論じ合った。
某个时期,杰出的野心家们云集在某地。因为《水浒传》的故事,这种情况也被称为梁山泊。明治初年所谓的“筑地梁山泊”指的是大隈重信的宅邸。年轻的伊藤博文和五代友厚等人出入期间,互相探讨未来日本的前景。
1950年代の東京のアパート、トキワ荘には石ノ森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄たちが住んでいた。漫画家として売れ始めた仲間も、まだ芽の出ない住人も、競い合い助け合った。
1950年代的东京一所名为“常磐庄”的公寓里住着石之森章太郎、赤冢不二夫、藤子不二雄等人。无论是刚踏上成名漫画家之路的伙伴还是默默无人的居民,都相互竞争、相互扶持。
いまの陸上短距離走の世界も、目を見張る梁山泊ぶりである。リオ五輪で活躍した桐生祥秀、山県亮太、ケンブリッジ飛鳥に気を取られていたら、多田修平が躍り出た。そして、18歳のサニブラウン・ハキームのあの走りである。
而如今的田径短跑领域也如同“梁山泊”一般吸人眼球。在里约奥运会上表现出色的桐生祥秀、山县亮太、剑桥飞鸟备受瞩目之际,多田修平又横空出世。还有18岁的萨尼•布朗风驰电掣般的速度。
自己ベスト10秒0台が5人そろった日本選手権100メートル決勝だった。3位に届かなかった桐生と山県は、この種目で世界選手権に出られなくなった。レース後に誓い合ったという。「僕たち2人が陸上界を盛り上げてきた。必ず戻ってこよう。正念場だ」。たくましく、まぶしい言葉だ。
跑进10秒大关并取得自己最佳成绩的5名日本选手齐聚在日本奥运会选手100米选拔赛上。没有跑进前三名的桐生和山县两人失去了这一项目的奥运会参赛资格。据说比赛结束后,她们相互进行了宣誓,“我们两人逐渐在田径界闯出了一片天地。我们发誓,必将重返这一赛场。”精彩的话语中充满了力量。
戦前には「暁の超特急」こと吉岡隆徳(たかよし)がひとりで世界と伍(ご)していた時代があった。世界水準があまりに遠い時代もあった。いま日本勢にとって世界は、そびえ立つ壁ではなく力を試す舞台であろう。
战前,被称为“清晨超级特快”的吉冈隆德以一己之力达到世界一流水平,开创了一个时代。在那个年代,日本远远逊色于世界水平。而今的世界对于日本选手而言,已经没有任何阻碍,成为了挑战自己的舞台。
人類の歴史が、まっすぐ前に進んでいる。そう信じるのが難しい昨今である。しかし走者たちの身体は、100分の1秒単位を刻みながら、歴史を塗り替えていく。たしかな偉業である。
人类的力量一直在前行。而现在,人们很难相信这一“事实”。但是,田径运动员们以百分之一秒为单位刷新着历史。这无疑是一项壮举。