カラーテレビは教育上よくない、白黒テレビのほうがよいという意見があるらしい。白黒テレビだと子供たちは自分である程度まで着色したイメージを描き得るし、それはさまざまでありうる。ところがカラーテレビだと子供の想像力が働く余地がない。想像力は創造性の基本だから、つまり、創造性の伸長を妨げる結果になるのだという。確かに、白黒テレビが、見本なしの塗り絵のように、色についての子どもの想像力を掻き立てるという効果はあるかもしれない。だがその場合、色に関する想像力を裏付ける、いわばそれに対応する、経験の蓄積がなければならない。そうでないなら、白黒の画面を着色の画面に転化したイメージを持つことは困難だし、仮にそうしたことがなされたとしても、そこに成り立ったイメージは、極めて単純で貧しいものでしかないだろう。
1、筆者が一番言いたいことは次のどれか。
①創造するために豊かな経験の蓄積が大切である。
②想像力は創造性の基本である。
③白黒テレビが、色についての子どもの想像力を掻き立てるという効果はある。
④経験の蓄積がなければ、白黒の画面を着色の画面に転化することは大変難しい。