梅雨のころ、アツモリソウはクロワッサンにリボンを結んだような赤紫色の花を咲かせる。「野生ランの王者」と呼ばれ、愛好者は多いが、絶滅が心配されてきた。中でも「幻の花」とまで言われたのは釜無(かまなし)ホテイアツモリソウだ。信州の釜無山に自生し、丸みを帯びた花に特徴がある。
梅雨时节,敦盛草开花了,其花型就似在牛角面包系上蝴蝶结。其被誉为“野生兰花的王者”,有着众多的爱好者,但其仍面临着灭绝的危机。在诸多品种中,“釜无敦盛草”甚至被人们叫做“幻生之花”。它生长在信州的釜无山,其特色是花上长有圆珠。
長野県富士見町はアツモリソの保護や栽培に力を注ぐ。かつては釜無山や隣の入笠(にゅうかさ)山一帯に群生したが、盗掘や獣害、植林による環境変化で激減した。住民の有志や町職員らが11年前、「富士見町アツモリソウ再生会議」を結成し、自生地を探すところから始めた。
长野县富士见町为敦盛草的保护和繁殖倾尽全力。曾经,该植物广泛分布于釜无山及旁边的入笠山一带,但由于盗挖、兽害以及栽植树林等环境变化导致其数量急剧减少。居民中的志愿者以及镇里相关工作人员在11年前组建“富士见町敦盛草重生机构”,开始寻找其自生地。
崖を登り奥山に分け入って、4株を見つけた。「粘ってよかった。見つけた時は絶対に守らなきゃいかんと胸が熱くなりました」と再生会議の中山洋会長(77)はふりかえる。
他们登上悬崖进入深山,发现了4株敦盛草。“没有放弃真是太好了。当我们发现它的时候,内省激动,并发誓要保护好它们”,该机构的会长中山洋先生(77岁)回顾说。
会員らは自生地に防獣網を張り、盗掘抑止のカメラを置いた。野生種の数を約10倍に増やすことができた。難航したのは交配や培養による人工栽培のほうだ。企業や高校の協力を得て実験を重ねたが、千株を植えても開花にたどりつくのは1株あるかどうか。想像以上の難しさである。
会员们在其自生地拉起防兽网,设置防范偷挖的摄像机。最终使其野生种的数量增加了约10倍。而依赖交配和培养的人工栽培迟迟没有进展。虽然获得企业和大学的帮助并反复进行试验,但是种下后能成功开花的连千分之一都很难达到。其困难度超乎人们想象。
アツモリソウという名は、源平合戦のむかし、一の谷で敵の熊谷直実(なおざね)に討たれた平敦盛に由来する。あでやかな花が、敦盛の背負った武具を連想させたらしい。
敦盛草这一名字,来自古代源平大战一之谷战役时死于熊谷直实之手的平敦盛。艳美的花儿,让人想到了敦盛所穿的盔甲。
敦盛は平家滅亡の悲劇のシンボルとなったが、その名を冠した花は絶滅の淵(ふち)から救われつつある。高貴で優雅な姿は、地元の人々の粘り強さの結晶のように思われた。
敦盛是平家灭亡这一悲剧的象征,而以其名字命名的花儿被人从灭绝的边缘拉了回来。其高贵、优雅的姿态,是当地居民永不言弃的精神所凝结的结晶。