失業率と自殺率は一致する傾向がある。失業者が生まれる経済状況が、自殺率の増加にも反映していると思われる。根底には長期安定的だった「日本的雇用」が崩壊してきた問題があり、職場の荒廃につながっている。つまり、労働時間の長さだけなら、高度経済成長時代も現在に劣らず「加重労働」と言えたが、年功序列などを含めた日本的経営がそれなりにクッションの役割を果たしていた。が、成果主義に代表される非日本的経営が９０年代以降に加速したことで、そうしたクッション役としての期待はできなくなっている。
（２０１０年７月２４日号週刊東洋経済による）
1、この文章の内容と合っているものはどれか。
①高度経済成長に伴うクッションの役割低下が自殺率の増加の一因である。
②非日本的経営は雇用の不安定を招き、自殺率の増加の原因になっている。
③自殺率が増加する背景には日本的な経営方式による「加重労働」があげられる。
④成果主義などの日本的経営の時代には、失業率も自殺率もそれほど高くなかった。
