犬の魅力のすべては、人間との友情の深さと精神的な絆の強さにある。しかし猫の魅力は、猫が人間との親密な絆をいっさい結んでいないという事実、つまり馬屋や納屋で狩りをしている間もトラやヒョウのような断固とした自立心を保っているという、まさにその事実にある。つまり、主人の脚にそっと身体をこすりつけたり、暖炉の前で満足そうに喉を鳴らしているときも、猫は神秘的でよそよそしいままだという事実にこそ、猫の魅力はあるのだ。私にとって、喉を鳴らしている猫と暖炉前の風景は、ひそかな安らぎの象徴なのである。