生物学者の福岡伸一さんが打ち出した考え方に「動的平衡」がある。生きものの体は、栄養素が通り過ぎる「流れ」のようなもの。体内で絶え間なく分解と合成が続いており、同じ人でも1年もたてば、分子レベルではまるで別人だという。
“动态平衡”是生物学家福冈伸一先生提出的理念之一。有生命的个体就如同营养穿行的“流水”一般。体内的分解和合成没有片刻停歇,同样一个人,在一年后,从其分子级别的形态来讲已经换了个人。
「生命はいつも自らを解体し、構築しなおしている。つまり(大きく)変わらないために、(小さく)変わり続けている」と最近の本紙に書いている。生物に限らず、組織にも当てはまるのではないか。
“生命总是自我分解,然后在重新构建。总之,为了不产生(大的)变化,其(小的)变动一直在持续”,近期,本报上刊登了这样一段文字。不仅是生物,组织不也是这样吗?
二大政党制をめざしてきた我が国の政治である。自民党はそれなりに変わり続け、命を保ってきた。安倍政権が愛想をつかされても、党がすぐに見捨てられるとは考えにくい。しかし対抗となるべき政党はどうか。
我国的政治一直以两大政党制为目的。自民党顺应时势不断改变,并维持至今。虽然安倍政权以民心尽失,但绝不等同于自民党被国民抛弃了。但是,应该与其对抗的政党现在又如何呢?
1990年代に二大政党の一翼と目された新進党は、不調になると「解党的出直しを」が合言葉になり、しまいには本当に解党した。現在の民進党は「解党的」の言葉を使うのもはばかられるほどの凋落(ちょうらく)ぶりである。熱気がないのに遠心力ばかりが働き「静的崩壊」に近いか。
1990年代,被视为两大政治之一的新进党因为陷入窘境而提出“解散后重新开始”的口号,最终也真的解散了。现在的民进党也是在一片愁云惨淡中说出了“解散政党”的话语。非但没有热情,还充满离心力,其难道已经接近“静态的崩溃”了吗?
二大政党制の先輩の英国では労働党が大きく方向転換し、今や「大きな政府」路線である。かつて唱えた「第三の道」からすれば別の政党のようだ。それでも緊縮財政を続ける保守党への対抗軸として機能している。
在施行两大政党体制的老前辈——英国,其劳动党正在大角度调整前进方向,现在是“大政府”路线。从其以前宣称的“第三条路线”来看,其已彻底改头换面了。即便如此,它仍保持着与施行财政紧缩政策的保守党对抗的机能。
民進党には最後のチャンスであろう。安倍政権下でまがりなりにも経済が安定したこと、一方で格差是正策では場当たりが目立つこと。まずはこのあたりに向き合うところから始めてほしい。
对于民进党而言,这是最后的机会了。在安倍政权统治下经济呈现一种病态的稳定,另一方面收入差距调整政策又像是权宜之计。希望民进党能以此为突破口……。