ひとりで電車を待っているときや、仕事中パソコンに向かっているとき、また、ぼんやりと家への帰り道を歩いているとき、自分がどんな表情をしているか意識したことがありますか。
たいていの人は、そのような時間は、他人の視線を意識していない固定表情(無意識状態の表情)をしているはずです。普通、なんの感情も映し出していない固定表情は、まわりの人に、いい意味にしろ悪い意味にしろ、メッセージを伝えることはありません。
たとえば、あなたが自宅から駅まで歩いて行くとき、あなたは周囲の人に何かを伝える必要はないでしょう。そんなときのあなたの表情が、固定表情です。
逆に、鏡に見るときや写真を撮られるときなど、誰かに見られていることを意識しているときの表情は、瞬間表情と呼ばれ、心の状態を表しています。心が悲しいときは悲しい表情になり、楽しいときは楽しい表情になります。
特別に悲しくも楽しくもない平常心でいるとき、それでいて相手を意識しているとき、私たちの顔はごくやわらかで自然な瞬間表情になっています。眉間はゆるやかに開き、口角が少し上がり、かすかにほほえんでいるように見えます。この表情は、自分が意識していてもいなくても、周囲に「楽しそう、熱心、元気、親しみやすい」という印象を与えます。
(植西聡「話し方を変えると「いいこと」がいっぱい起こる!」による)
1、「瞬間表情」についての説明として、文章の内容と合っているのはどれか。
①自分の心理状態を表している瞬間表情は自分にしかわからない。
②一人で平常心でいられるときは自然な瞬間表情が出てくる。
③写真を撮るときのほほえむ笑顔は自然な瞬間表情である。
④瞬間表情は他人の目を意識しているときの表情である。
2、「固定表情」についての説明として文章の内容と合っているのはどれか。
①固定表情は他人と関わりたくないというメッセージを伝えている。
②仕事の最中に固定表情をしているとほかの人に誤解されやすい。
③他人の視線を気にせず本能のままの表情を固定表情と呼ぶ。
④固定表情は自分の感情を他人に伝えることができない。
3、文章の内容から考えて、以下の(А)と(B)の中に入るものとして最も適切なのはどれか。「周りのみんなと仲良くしたい場合は、(А)の時間を減らし、(B)の時間を増やすことが大切です。
①А:変わりやすい瞬間表情 B:明るくて親しみやすい固定表情
②А:無表情ともいえる固定表情 B:心の窓を開いた状態を示す瞬間表情
А:感情のままの瞬間表情 B:楽しくもなく悲しくもない固定表情
А:悩みを映し出している固定表情 B:楽しいときの瞬間表情