1984年の月刊誌「言語生活」が外来語論争を特集していた。その中で、開国後の明治維新を、どっと外国語が押し寄せた”洋語襲来”第一期、第二次大戦後を第二期とみている。それからすると、コンピューターを駆使した情報化社会となって以降の現代は、第三期の”洋語襲来”ということもできるだろう。
確かに、次々に流れ込む洋語をいちいち日本語に訳するのは大変だ。専門的な語となると、( 1 )。しかも最近では、若者がやたらに”-ing”を用いて日本語の英語化を試みている。異性をゲットするのはゲッティングであるが、日本語に”-ing”を使って、マイッティング(降参)、シカッティング(無視)、ムカッキング(むかつく)など、( 2 )。
危機感を持った国立国語研究所は、2002年8月、公共の場で使われているわかりにくい外来語については、言い換えるなどしようではないかという提案をした。例えば、インパクト=衝撃・影響、コンセンサス=合意、などはなるほどとうなずけるが、アイドリングストップ=停車時エンジン停止、オピニオンリーダー=世論先導者、インフォームドコンセント=納得診療、となると、( 3 )。
私はもとより国立国語研究所の意見に賛成なのだが、洋語襲来の第一期、漢語の素養のある知識人たちは、外国語を漢字で意味を正しく伝えようと試行錯誤をした。例えば、「ステーション」(駅舎)を「停車場」と定着させるまでに、蒸気車会所、車舎、汽車駅、火輪車公司、ステン所など二十通り以上の呼び方があったという。つまり、既成語にとらわれず、( 4 )。この点では現代の知識人は、明治の知識人に遠く及ばない気もしてくる。
1、問1~4に入るものの組み合わせとして、最も適当なのはどれか。
А ちょっとわかりにくい
B 新たに国語を創造することが問われていると思うのだ。
C 適当な国語を探すことは困難である。
D みな模似和製英語である。
1Ⅽ 2D 3А 4B
1Ⅽ 2А 3B 4D
1А 2Ⅽ 3B 4D
1А 2D 3Ⅽ 4B