普段どんな言葉を使うかと同じくらい気をつけたいのは、「どれくらいのスピードで話すか」という問題です。
ハワイで地元のハワイアンたちと話していると、彼らが非常にゆっくりとした口調で話すことに気づかされます。一方、ニューヨークのような大都市に住む人たちは、総じて早口になります。おそらく日本でも、自然の豊かな農村で暮らす人々と、都心で働く人々では、( 1 )。
口調が人の心に与える影響は非常に大きくて、ゆっくりとしたペースで話していると焦りやストレスはほとんど感じません。リラックスした状態で、自分の考えを正確に伝えることができます。
( 2 )、早口でしゃべっているとどうしても心に負荷がかかって、焦りやストレスを生んでしまいます。そしてストレスを感じるほど、もっと早口になってしまうのです。たとえば、激しい口論をしている人たちは、どんどん早口になっていきます。興奮で早口になり、早口でしゃべることがさらなる興奮を招くのです。
それでは、どうして早口になると興奮やストレスを感じてしまうのでしょうか。答えは簡単で、早口ではうまく呼吸することができず、一種の酸欠状態になるからです。そして、ゆったりとしたペースでしゃべっていれば十分な呼吸が確保されるため、( 3-a )ことも( 3-b )こともありません。ちょうど、しゃべりながら軽い深呼吸をしているような状態です。
また、これは多くの方が経験的にわかっていることでしょうが、「人は嘘をつくときには早口になる」という心理学のデータもあります。嘘をごまかそうとしたり、嘘をついている状況に緊張したりするため、どうしても早口になってしまうのです。
( 4 )、たとえそんなつもりはなくとも、早口でしゃべっていると嘘っぽく聞こえたり、信頼性に欠けてしまったりします。
どうしても早口になるという人は、まず言葉と言葉のあいだに「間」を開ける意識を持ちましょう。それを繰り返していくうちに、ゆったりとしゃべる( 5 )。
(本田直之「ゆるい生き方」による)
1、(1)の中に入るものとして、最も適当なのはどれか。
①しゃべる言葉に違いがあるはずがありません。
②しゃべるスピードに違いがあるはずがありません。
③しゃべる言葉が違うのではないでしょうか。
④しゃべるスピードが違うのではないでしょう。
2、(2)の中に入るものとして、最も適当なのはどれか。
①一方
②つまり
③単に
④ただし
3、(4)の中に入るものとして、最も適当なのはどれか。
①ところが
②とはいえ
③そうして
④ですから
4、(3)の中に入るものとして、最も適当なのはどれか。
①口論する/早口になる
②興奮する/ストレスを感じる
③早口になる/興奮する
④ストレスを感じる/口論する
5、(5)の中に入るものとして、最も適当なのはどれか。
①ようにしてみてはいかがでしょうか
②ことができるようになるはずです
③ようにしたほうがいいでしょう
④ことができないかもしれません