日本人は神経質な面があるので、緊張すると、かえって笑うことが多いが、現在好まれる笑いは、もっと深いところまで揺すぶる笑いであるようだ。
もともと笑いは、自己の優越感の確認から生まれると言われる。バナナの皮で滑るのを見て笑うのから、もっと残酷な笑いまで、確かに笑いには悪意がつきまとうことが多い。しかし、笑いが( 1 )から生まれるというのも事実なのだ。むしろ笑いの本流はこちらにあり、生のエネルギーが溢れて外に出るのが本来の笑いなのだ。例えば赤ん坊が笑うとき、気持ちのよさ、楽しさ、嬉しさを表現しているのであって、決してその逆ではない。(中略)もともと人類が地上に生まれて以来、危機とストレスがなかった時代は考えられない。われわれの祖先は洞窟の中でマンモスや猛獣に脅えたであろうし、人類史から言えば、ごく最近までペストやコレラで人類は危うく( 2 )。しかしそんな中でも、人は笑うことができた。それは花を見てか、美しい恋人ができたか、何らかの理由で生きていることが素晴らしいと思い、生命感の充実を味わったからなのだ。
1、( 2 )の中に入るものとして、最も適切なのはどれか。
①絶滅しそうであった
②絶滅するしかなかった
③絶滅せざるを得なかった
④絶滅しつつあった
2、人はペストやコレラで絶滅しそうな時でも笑ったが、それはなぜか。
①笑うことは人間の生理現象であり、どんな状況であっても止められないから。
②そんな状況でも、生きていることがすばらしいと感じられる瞬間があったから。
③厳しい状況であるほど、生のエネルギーは笑いとなって溢れて出るものだから。
④人は絶滅しそうな状況では、緊張のあまり、かえって笑うことも多いから。
3、( 1 )の中に入るものとして、最も適切なのはどれか。
①緊張感
②優越感
③生理的快感
④生命感の充実