グローバル化が進む社会では、好むと好まざるにかかわらず、「自分が日本人である」ということに向き合わされることになる。グローバル化とは、外国の人から見た日本観や日本人観と接する機会が増えることを意味するからである。その際、私たち日本人は、日本という国が現代の国際社会の中でどのような役割を果たしているか、また果たそうとしているかということからも離れることはできない。
では、今の世界はどう動いているか。日本という国はどこへ行こうとしているか。まず言えることは、グローバル化は市場経済の世界化を通して各国を一つの市場として結び付けているが、その反面で貧困地域・貧困人口を増大させ、民族・社会紛争が各地で続発させていることであろう。今や対立の構図は冷戦期のような「国家対国家」なのではない。地球環境問題もテロも、地球規模の南北問題の解決抜きには解決できないことは、今や国際社会では常識となっている。こうして多くの国々が、新しい国際秩序を目指す必要を感じ、国連開発計画が提唱する「国家の安全保障から、全ての人々の生存権の保障や環境保全を中心とする人間の安全保障」へと向かおうとしている。
言い換えれば、グローバル化に伴って、地球が一つの共同体になるための課題がいよいよ鮮明になってきたとも言えるのであるが、それはとりもなおさず、これら地球規模の課題について、日本がどのような役割を果たしているかが、私たち一人一人の日本人にも問われることを意味しているのである。
1、「好むと好まざるにかかわらず、「自分が日本人である」ということに向き合わされることになる」のはどうしてか。
①グローバル化の進展に伴って、地球が一つの共同体になりつつあるから。
②外国の人との交流を通して、彼らの日本観や日本人観に接する機会が増えるから。
③市場経済の世界化を通して、各国を一つの市場として結び付けているから。
④日本は経済大国として、国際社会の中で大きな役割を果たしているから。
2、筆者はグローバル化についてどう考えていますか。
①現実には貧富の差を拡大しており、グローバル化はマイナス面の方が多い。
②市場経済のグローバル化には反対だが、国家間対立をなくした点は評価できる。
③グローバル化は、人類が一つの共同体になるために必要な課題を明らかにした。
④グローバル化は必要であり、人類が一つの共同体になるためのプロセスである。