作詞家の阿久悠さんは、いくつもの「甲子園の詩(うた)」を残している。打撃戦に魅せられ、こんな言葉をつづった。〈鍛えられた人には/鍛えられた人にだけ与えられる/崇高にさえ思える威圧があって/それを証明することに遠慮はいらない〉
词作家阿久悠先生给我们留下了不少“甲子园诗歌”。为击球大战所倾倒,创作了如下一段文字,<给那些久经历练的人/只给那些久经历练的人/面对威势压力巨大,也令人倍感崇高/证明这一切的行动不需要手下留情>
そして続けた。〈純粋素朴に/真直に/バシッと打てば/カンと響く/さらに強ければ/キンと高鳴る/そういう野球がもっと見たい〉。鋭く強く打音が響き続けたのが、この夏の甲子園であった
接着又继续吟诵道,<纯粹朴实/刚正不阿/击球有声/清脆回响/若再用劲/回声高扬/如此球赛百看还想>。清脆强劲的击球声持续不断地响彻整个球场,如此壮举正是今夏甲子园的真实写照。
きのうの閉幕までの48試合で積み重ねられたホームランは、68本に達し、記録を塗り替えた。とりわけまぶしかったのが、ひとりで6本を放った広陵の中村奨成捕手である。一振り一振りに、会場がどよめいた
到昨天闭幕为止的48场比赛中,共计本垒打数达到了68次,打破了历史纪录。其中更令人眼前一亮的是独自打出6次本垒打的广陵高中中村奖成接球手。一次次的奋力挥棒,使得整个球场欢声雷动。
打撃でしのぎを削ったのが、3回戦の神村学園と明豊の試合だった。九回で3点差から追いつく。延長戦で3点差をひっくり返す。絶望と希望がめまぐるしく入れ替わった。決勝でも花咲徳栄(はなさきとくはる)の襲いかかるようなバットが、広陵を圧倒した
以击球把比赛打得硝烟弥漫的要数第3轮神村学园对明丰高中的那场球了。第九局从3分之差开始奋起直追,延长赛大翻盘反超3分。绝望与希望的转换令人眼花缭乱。决赛亦如此,花咲德荣横扫千军般的击球压倒了广陵高中。
科学的なトレーニングの広がり。打撃練習用マシンの機能向上――。理由はいろいろと言われるが、一人ひとりの日々の鍛錬が根幹にあり、打撃で魅了する現在の高校野球が生まれた。攻勢にさらされて、汗をぬぐう投手の重圧はいかばかりか
特学训练的普及。打球练习器械的性能提升。虽说理由很多,但根本在于个人日复一日的锻炼,在此基础上,通过击球展现魅力的高中生棒球诞生了。
〈甲子園は天才も待っているが/甲子園は努力で磨いた普通を/いちばん待っている〉。そんな願いもまた、阿久さんは記している。高校野球は変化を続けながら、100回目の全国大会を来年迎える。
<甲子园也在等待着天才的出现/然而甲子园更等待那些/不懈努力磨练自己的普通人>。这也是阿久悠先生记录下的心愿。在变化持续不断的进程中,高中棒球将于明年迎来第100届的全国比赛。