「うざいんじゃあ。ばばあ。」わかってる。本音ではないこと。反抗期だからはけ口が私に向いてること。少しは落ち着いた息子だが、ちょっと自分の思い通りにならなければすぐにこうだ。仕事から帰り、ポストをのぞいたら、鉛筆書きの一通のはがきがあった。息子からだ。こないだ、学校で野外活動に行ったときに、私が息子へ宛てた手紙の返事らしい。思わず苦笑い。誤字じゃん。これ。
そこには素直に感謝の気持ちが綴られている。最初は笑っていた私の、目の奥がだんだんあつくなり、鼻がつうんとしてきた。自分の将来の夢が語られ、そのために彼なりに頑張っていること。そして、その夢を叶えるために、「母には発射台になってほしい。これからも僕の母であり続けてください。」という一文で締めくくられていた。
そんなことを思っていたのか。どこで覚えたんだろう。あんな言葉を。まだまだ稚拙で生意気盛りだが、これが本音であってほしい。もちろん、一生母をやめることはないよ。おまえを生んだのは間違いなくこの私なんだから。そのかわり、一生私の息子でいてくださいよ。