妊娠できにくい体質だった私は結婚して五年、治療の末奇跡的に妊娠することができ息子を授かりました。無事に生まれてきてくれた時は、嬉しさから分娩室で声をあげて泣きました。本当に嬉しかったです。そんな宝物の息子を、私は手塩にかけ大切に育てました。育てたつもりでいました。人一倍甘えん坊で中二の春までお風呂も寝るのも一緒。仲良し親子でした。反抗期?非行?私には無縁の話だと思っていました。保育士という職業柄、子育てには少なからず自信もありました。まさか私の子に限って・・・。それが、中二の夏休み、同居の義母から息子の喫煙の事実を告げられ、そこから非行の道へ走った息子。
夜遊び、喫煙、万引き・・・何度も警察へ足を運びました。学校もサボリがちになり成績も下がり・・・。ある日「お前のせいだ!!お前が全部悪いんだ!!お前なんか・・・!!」と息子は私に向かって泣き叫び、部屋中の壁に穴をあけました。私が自信を持ってしてきた子育ては、息子にと_チても窮屈で苦痛以外の何物でもなかったのだと初めて気づかされました。途方も暮れ自殺も考えた毎日・・・でも、私を母に選んで生まれて来てくれた息子。私がいなくなったらこの子は誰が守ってくれるのだろう?精神的に追い込まれた過呼吸で病院にかつぎ込まれてしばらく経っ_ス頃、息子がポツリとひと言「お母さん俺、成人したらちゃんと恩返しするから。」と。頑張って入学した高校も退学になってしまい、それでも心を入れ替えバイトと通信制高校を両立させている息子。毎年私の誕生日と母の日には必ずプレゼントを送ってくれます。成人したら・・・ではなく今でも十分恩返ししてもらっていると思います。あなたが元気で頑張ってくれる、いつも私の事を気にかけてくれている・・・それだけで私は幸せです。本当に本当にあなたの母親になれて良かった。あなたを生むことが出来て良かった。あなたが私を母に選んで生まれて来てくれた_アと、心から感謝しています。