▼日本遺伝学会が先ごろ、「優性」「劣性」という言葉遣いをやめると発表した。遺伝子の特徴が現れやすいかどうかを示す訳語だったが、優劣の語感が問題とされた。劣性遺伝病などと診断されれば、不安になる人がいるのではないかと
▼前不久日本遗传学会宣布停止使用“优性”“劣性”这两个词汇。这是一对翻译词汇,表示遗传基因特征易显现与否的意思。但是,优与劣的语感有些问题。这是因为倘若被诊断为劣性遗传病等病症的话,也许有些人会因此而感到惶恐不安。
▼代わりとなる新しい言葉は「顕性」と「潜性」である。少々とっつきにくいが、こちらの方が正確という。わかりやすさ、正しさ、そして受け止める人への気遣い。翻訳とは、かくも繊細なものか
▼作为替代的新词选用的是“显性”与“潜性”。虽然稍有不易上手使用的感觉,但是据说词意是正确的。易懂、正确,而且照顾到了接受者的感受。所谓翻译就是这么一种特别细致的表现方式。
▼だからこそ意味が加えられる余地があるのだろう。例えば「農薬」はごまかしのある訳語だと、翻訳家の垂水(たるみ)雄二さんが著書『悩ましい翻訳語』で述べている。「殺虫剤」とすべきところを農業の薬とすれば、悪い印象が薄まってしまう
▼正因为此,就会存在一些附加意思的余地。例如“农药”,翻译家垂水雄二先生在其著作《令人烦恼的翻译词汇》中阐述道,这是一个误导人的译词。并认为将本应该翻译成“杀虫剂”的东西翻成了的农业的药物,这么做淡化了它原本不好的印象。
▼「環境汚染」でなく「公害」と訳すのも問題があるとする。公が害をなすと思われ、私企業の罪があいまいになるとの批判が、かつてあったという。今はむしろ被害の広がりを意味し、企業の責任の重さを示すように思えるから、言葉はまさに生き物である。
▼据说曾经有批评意见认为,将“环境污染”翻译成“公害”也是一种有问题的做法。这往往被误认为是公方加害,而私企的罪恶因此就显得模糊不清起来。现在的译法意味着受害的扩展,并显示出企业责任的重大。由此可见,词汇真是一种具有生命力的载体。
▼ふだん使う言葉の多くは、先人たちの試行錯誤の上にある。ソサエティーは「人間交際」「仲間連中」などと訳された末に「社会」に落ち着いた。家族とも村落とも違うつながりがある。そんな考え方が定着していった
▼我们平时所使用的词汇,其中大部分都是在前人试用错误的基础上确定下来的。SOCITY一开始翻译成“人际交往”“成员伙伴”等等,最后落实在了“社会”上,具有一种既有别于家属,也有别于村落的意思。这一想法逐渐固定了下来。
▼最近はどうも翻訳の努力が足りないようだ。コミットメントやガバナンスなど、そのまま持ち込まれる例が目につく。意味をあいまいにし、ごまかすために使われるのでなければいいが。
▼最近的情况令人感到花费在翻译上的努力不够。COMMITMENT、GOVERNANCE等等,就这么照搬使用的实例令人印象颇深。当然,只要不是为了忽悠人,词意稍不明晰还是可以接受的。