主人の命令に耳を傾けるが、従わず、自分自身の賢さに従うのを好む賢い下男がいるとき、その主人はどんなに運が良く、家は万事がどんなにうまくいくでしょう。あるとき、主人は、こういう種類の下男である賢いハンスを行方不明の牛を探しに行かせました。長い間帰ってこないので、主人は、「忠実なハンスは仕事に手を抜かないな。」と考えていました。
しかし、全く帰ってこなかったとき、ハンスになにか悪いことが起こったのではと思い、自分でハンスを探しにでかけました。長い間探さなくてはなりませんでしたが、とうとう若者が大きな野原をあちこち走っているのを見つけました。「なあ、ハンスよ」主人はハンスの近くに来ると言いました。「探しにやった牛を見つけたのかい?」「いいえ、ご主人さま、牛は見つけませんでした。でも牛を探さなかったんです。」とハンスは答えました。「じゃあ、ハンス、お前は何を探しているんだい?」「3羽のつぐみです。」と若者は答えました。「それでどこにいるんだい?」と主人は尋ねました。「一羽を見て、もう1羽を聞いて、3羽目を追いかけているところです。」と賢い若者は答えました。
これを見本にして、主人や主人の命令に骨を折らずに自分の頭に浮かぶことや自分の気に入ることをしなさい。そうすればみなさんは賢いハンスと同じくらい賢くやれるでしょう。