イザナミは続いて雷の神たちに千五百もの黄泉の国の軍勢を従わせて、イザナギを追わせました。イザナギは剣を後ろ手に振り回しながら逃げました。
現世と黄泉の国の境目にある黄泉比良坂(よもつひらさか)という坂のふもとまで辿りついたとき、イザナギはそこに生えていた桃の木から桃の実を3つもいで追っ手に投げつけます。すると追っ手は、皆逃げて行きました。
「お前が私を助けてくれたように、人々が苦しみ患うときには皆を助けてやってほしい」
とイザナギは桃の木に伝え、木をオオカムヅミ(意富加牟豆美)と命名しました。