キジの鳴女は高天原から地上へ降り、アメノワカヒコの家の門のところにあるカツラの木に留まりました。そして命じられたことを伝えました。
するとアメノサグメ(天佐具売)という女がそれを耳にして、アメノワカヒコに、
「あの鳥の鳴き声がムカつく。射殺してちょうだいよ」
と進言したのです。
アメノワカヒコはアマテラスから授かった天鹿児弓(あめのかごゆみ)という弓と天羽々矢(あめのはばや)という矢で、キジの鳴女を射って殺してしまいます。
矢はキジの鳴女の胸を突き破り、さらに上昇して、天安河原(あまのやすかわら)にいたアマテラスとタカミムスビのところにまで届いたのでした。