タカミムスビが矢を手にしてみると、矢の羽に血がべっとり。
「これはアメノワカヒコに授けた矢ではないか」
と言い、神々にも矢を見せました。
「アメノワカヒコが我々の命令に背くことなく、この矢が悪い神を射った矢なのだったら、矢はアメノワカヒコには当たらない。
逆に彼が邪心まみれなのだったら、矢が当たって死ぬはずだ」
と言って、その矢を地上に向かって下に投げ返すと、朝寝していたアメノワカヒコの胸に命中。彼は死んでしまったのでした。
またキジの鳴女は戻って来ませんでした。行ったきり帰ってこない使いのことを「雉のひたつかい」というのは、このエピソードがその由来です。