ところがびっくり、イワナガヒメはすんごいブサイクだったのです。ニニギはひええええ!と思って彼女を親元に送り返し、コノハナノサクヤビメだけを残して結婚したのでした。
イワナガヒメが拒絶されて戻って来たことを、オオヤマツミはたいそう恥ずかしく思いました。
「娘を二人一緒に嫁にやったのは、イワナガヒメを妻にすれば、雪が降っても風が吹いても、あなたの命が石のように永遠なものになるからです。コノハナノサクヤビメを妻にすれば、木の花が咲き誇るように子孫繁栄するからです。
しかしあなたはイワナガヒメを送り返し、コノハナノサクヤビメだけを残された。高天原の神の御子の寿命は、木の花のように短くなってしまうでしょう」
こういうワケで、今にいたるまで天皇の命は長くなくなってしまったのです。