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NR(ノーリターン)27
日期:2018-09-30 08:38  点击:341
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「運命、恐ろしいです。こんなことになってしまいました。そういう星の巡り合わせだったのでしょうか」
 だから、俺は、運命なんて信じてないって。
 俺たちは、店長と俺は、トランクス一枚で並んで立っていた。
「元はといえば、あなたを信用した私が間違っていたのです」
「おい、そこの新入り、しゃべるんじゃねえ」
 ほら、怒られちゃったじゃないの。
「はいっ。了解しました」
「バカ。でかい声出すな。気が散るだろ」
(ハイッ)
 店長は、声に出さずに口の形で返事した。
 みんながね、ひとりの男のことを待っていた。壁に向かってすわって、精神を集中している。
 妙に張りつめた感じ。
 それから、ようやく、
「いいですよ。準備完了。いきましょう」
 そう言って、男がゆっくりと立ち上がった。やけに日焼けした背中だなと思っていたら、お尻《しり》まで、全身が不自然なくらいにまっ黒。
「よーし。スタート」
 合図とともに、
「あーっ、あっあっ、あ」
 ベッドの上の女が急に声をあげ、身をくねらせた。
 カメラが近づく。
「よーしっ、これが欲しかったんだろ。今、入れてやるからな」
 全身日焼け男がベッドにのぼると、両手で女の両足首のところをつかんで、大きく開いた。
「ほら、見ろよ。これだ」
「あーっ、イジワル。早く、ちょうだい。あーっ」
 なんなんだろね、こいつらって。もう、完全にふたりだけの世界になりきっちゃってんの。
 あきれて見てたら、バシッ。
 雑誌を丸めたみたいなもんで、尻をたたかれてしまった。
「ほらっ。おまえ用意しろよ。間に合わないと意味ないぞ」
 耳もとでささやかれる。
 さっきから俺たちに指示を出しているのは、助監督って呼ばれているやつ。
(ハイッ)
 店長の返事のマネをしてから、俺はトランクスに手を突っ込んだ。
「うっ、うっうーん。ああー、いいわ。とっても、いい」
 女優を見ながら、俺はペニスを摩擦する。
「あー、あっ。そこよ。そこ。もっと、もっと、奥までちょうだい」
 横目で店長の様子をうかがうと、薄目を開けて天井を見ていた。瞑想《めいそう》にふけっているみたい。右肩が振動していたけど。
「よしっ、行け」
 小さな声で合図されて、俺だってちゃんとやろうとしたのよ。前もって助監督に教わったとおり。
 まず、カメラのアングルに注意すること。映らないように、ベッドの足の側から行く。女優の中からペニスを抜き取った男優と入れかわって、ベッドに近寄る。
 それでね、俺がトランクス下げたら、横に店長がいた。
 バシュ。
 なんかすごい音がした。

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