東京スカイツリー(東京都墨田区)の展望台「天望回廊」の高さは本当に450メートルなのか――。東京大の研究チームが今月中旬から、アインシュタインの一般相対性理論で示された「高い場所ほど時間の進み方が速い」という現象を利用し、極めて正確な時計を使ってスカイツリーの高さを測る実験を始める。
相対論によると、重力の影響が弱くなるほど時間の進み方が速くなる。展望台は地上よりも重力の影響が小さく、時間の進み方がわずかに速いという。展望台の高さが本当に450メートルなら、1か月間で、地上よりも130ナノ秒(ナノは10億分の1)だけ時間が速く進む計算になる。
東京大の香取秀俊教授(54)らは、宇宙の年齢よりも長い160億年以上たっても1秒しか狂わない「光格子時計」という超高精度の時計を開発した。スカイツリー1階にある部屋と、展望台にある空きスペースの2か所に光格子時計を置き、約2か月間にわたって時間を計測。計測された時間のずれから高さを求める。